クリニックの居抜きとは？メリット・デメリットも徹底解説

「居抜き物件」といえば一般的には飲食店が多いイメージではないでしょうか。 実はクリニックにも居抜き物件があります。クリニック経営をやめる人がそのまま不動産を手放すケースです。最近は開業医の高齢化や、後継問題などで居抜き物件は増える傾向にあります。クリニックの居抜き物件にはメリットがたくさんありますが、当然デメリットもありますので、双方をしっかり理解して不動産探しの選択肢として考えてみてください。

初期費用が少ない

開業に必要なのは、診察室と機材だけではありません。待合室の椅子、受付と会計の窓口に必要な什器、トイレのスリッパや掃除用具などに至るまで数かぎりない物について、購入を検討しなければなりません。その点居抜き物件は、もともと病院だったところをそのまま使うわけですから、基本的なものは全て揃っています。初期費用は他の開業方法に比べて圧倒的に安く済みます。

開業までの期間が短くて済む

初期費用が安く抑えられるだけでなく、開業までの期間も短くなります。基本的なものが揃っているので、買い足し、買い直しすべきものもわかりやすく無駄が出ません。勤務医をされている方などは忙しい中、やらなくてはならないことがだいぶ削減されます。

レイアウトの変更ができない

自分が使うには不便な点があってもそのまま使うしかないところが一番のデメリットと言えるでしょう。建物の躯体に手に入れることは構造に関わる部分ですので、難しいことが多いですが、中の間仕切り壁や簡易的な柱は取り除くことができる場合があるので、設計に入る前に、現地で確認することをおすすめいたします。

付属している機材の問題

買い揃えると高価な機材がそのまま残されているのは魅力的なのですが、設備が古くて使い方がよくわからない、説明書などが残っていないなどの問題が起きることも想定されます。契約をされる場合は、機材の品質の確認、不要になる場合の処分は誰がするのかなどきちんと取り決めておく必要があります。機材とスペースの問題は結構厄介なので十分に確認をしてください。

前院のイメージが引き継がれる

前院の患者さんを引き継ぐことができる反面、前院のイメージも引き継いでしまいます。評判の良い医院であれば良いのですが、悪しき評判もついてきますので注意が必要です。事前に地域の評判や状況について不動産業者に確認しておきましょう。

新規にクリニックを開業する場合、前院と違うイメージを打ち出して周囲に認知してもらうにはどのようにしたらよいでしょうか。 古臭い感じや入りづらい雰囲気は、看板、エントランスなど少しの手入れでイメージを大きく変えられます。明るいイメージカラーを決めて各所に使ってみましょう。色が人に与えるイメージは概ね決まっていますので、開業コンセプトと色のイメージについてはしっかり検討してください。​​​​​​​​

エントランスの植え込み、インテリアグリーンなど緑を取り入れると安心できる雰囲気が作れます。また、古びた椅子などを買い換えるなら、カラーコーディネートを考えて見たり、絵を飾るだけでも違いますのでぜひ検討してみてください。環境デザインについて書かれているサイトなどをご覧になるのも良いと思います。

人間は無意識のうちにいろいろなイメージを受け取って、判断しています。なんとなく居心地が悪く、行きづらいクリニックにならないよう、配慮しましょう。

新規開業のための不動産選びには様々な方法がありますが、新築、テナント、居抜きそれぞれにメリット、デメリットがあります。焦らず十分に比較検討をすることをお勧めします。以下のポイントをしっかりと抑えましょう。

居抜きのメリット

・初期費用が少ない

・開業までの期間が短い

居抜きのデメリット

・レイアウトが直せない

・設備が古いことがある

・前院のイメージがついてくる

最終的には医院開業専門の不動産業者に相談することをおすすめします。事前に自分のイメージを固めておくことによって、納得できる取引ができますのでじっくり検討してください。

また、契約に際しては新築を除いて元からあった傷や汚れ、サビなどについては後々トラブルにならないようきちんと確認しておきましょう。