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【電気容量と設備】クリニックの物件選びで見落としがちな8つのポイントとは?

はじめに

クリニック開業に向けて、物件を検討する際は、人口動態や診療圏調査、利便性といったマーケティング調査、現地周辺の競合有無などさまざまな要素で分析し、決められると思います。 今回は、物件検討において、見落としがちな要素である設計的な視点「電気容量と設備」について解説していきます。

クリニック開業にあたり、物件の種類を検討する

【電気容量と設備】クリニックの物件選びで見落としがちな8つのポイントとは?

クリニックの物件の種類は、2つに絞られます。「買う」もしくは「借りる」です。

「買う」とは、主に新築を建てる場合があげられます。建物の仕様を検討する前に、土地について確認する必要があります。その土地の権利(所有権や借地権など)や、その土地に規約は無いか…例えば、土地が所有権であれば、建築条件付きかなど、契約にあたって検討していきます。

新築を建てる場合には、大きなメリットがあります。建物の大きさや広さに影響しますが、自由に設計できるため、理想的なクリニックの開業がしやすいことです。将来的にクリニックを拡張したい場合も、対応しやすいといえます。 また、外観ファサードに特徴を持たせ、視認性を高めることで、集客にも工夫することができそうです。

しかし一方で、初期費用は高く、施設の維持費や税金などリスクも高いといえます。また、一度所有すると、移転するのは容易ではありません。

「借りる」とは、建物そのものを借りるか、テナント物件の一室を借りる、という選択肢があります。建物ごと借りる場合では、以前もクリニックとして営業していた建物を借りるといったケースがあげられます。

この場合のメリットは、例えば、前のクリニックが同じ診療科であれば、周辺マーケットの把握はしやすく、これまでの患者さんが引き続き来院するなど、情報収集もしやすいため、コストを抑えることができます。

しかし、前のクリニックのイメージがよくも悪くもあるため、事前に評判を確認するなど、念入りに調査した方がよいでしょう。

テナント物件のメリットはたくさんある

テナント物件の場合、駅前といった好立地の物件も多く、コスト面では、初期費用やイニシャルコストが抑えられるなどのメリットがあります。 また、共用部や建物・外壁の維持管理も手間がかかりません。 テナント物件は、マーケットの変化が激しい現代に対応しやすく、移転や撤退が比較的容易です。

テナント物件のデメリットは?

そんなテナント物件にもデメリットはあります。 例えば、駅前のビルでは、周囲の環境が来院にふさわしいかどうか検討する必要があります。また、現時点は大丈夫でも、この先どうかは未知数です。

そのため、テナントの契約締結をする際、家主に対してクリニックにふさわしくない業種が入らないよう、貸借契約書に特約事項として明記する必要があります。

テナント物件で見落としがちな設備や動線の事前調査

【電気容量と設備】クリニックの物件選びで見落としがちな8つのポイントとは?

ビルは、2階以上の場合視認性が悪くなるため、1階での開業が望ましいと考えるドクターもいらっしゃると思います。その場合でも、事前に念入りに調査すべき点があります。

テナント物件の場合、一般的に事務所の入居を想定しており、内装や設備に限界があるといった、さまざまな制約があります。 そのため、賃料や面積、築年数、構造などの確認はもちろんのこと、設備や動線についての事前調査が必要です。

クリニック開業後に使用する医療機器の仕様(大きさ、電気、重量)をすべて確認する

たとえば、クリニック全科で使われる滅菌器やオートクレイブ、あるいは、レントゲン、CT、MRIを使用する場合、それが単相100Vか200Vタイプなのか、三相200Vのような動力タイプなのかといった把握が必要です。

また、MRIはかなり重量があるため、床下は耐えられるのか、そもそもの運搬は大丈夫かといったことも考えなければいけません。

一般のオフィス物件では、電気容量不足になることが考えられます。電気容量アップの工事をする場合、分電盤が必要ですし、仮にブレーカー数が足らない場合は新規で設置する必要があります。

分電盤やブレーカーが付属していたとしても、ビル全体の電気容量不足になる場合もあり、そうなると、キュービクルの電気容量を増やすなどの工程が必要になります。

見落としがちなポイントを8つにまとめると…

このように、予定していなかった工事の必要性に迫られる場合があります。特に注意すべき見落としがちなポイントをまとめると、以下の8つといえるでしょう。

1)電気設備

医療機器に必要な電気容量や専用電源などのコンセント形状の確認や確保

2)給排水設備

患者やスタッフ用のトイレや手洗い場など必要な箇所への設置ができるかどうか

3)空調・排気・換気設備

それぞれの個室にエアコン含め、空調・換気設備が設置できるかどうか

4)消防設備

消防設備や新たに必要な設備、スプリンクラーの設置義務などあるかどうか

5)床の耐荷重

CTやMRIなど機器の総重量に対して床の耐荷重は大丈夫か

6)天井高

医療機器が設置可能である天井高を満たしているか。一般の事務所は天井が低い場合が多々あります

7)搬入経路の確認

医療機器が搬入できるか、設置に対する可否の決定

8)役割分担と責任範囲の想定

機器の搬入経路を確認するとともに、順序やスケジュール間や各業者の役割分担や責任範囲を検討するとよいでしょう

まとめ

クリニック開業にあたり、物件選びの中で見落としがちなのは、電気容量や空調・排気・換気といった設備や耐荷重や天井高さなどに影響する医療機器の確認や、実際に建築や搬入といった作業工程での役割分担や責任範囲の想定です。

8つのポイントに絞りましたが、クリニック開業には、たくさんの検討事項があります。

物件を契約される前に、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。専門のコンサルタントが、開業支援のサポートをさせていただきます。

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