医療モールの家賃を交渉するためには？土地選びからとの比較やメリット・デメリットをご紹介

人生100年時代の今、医療技術の発達も進み、その技術を必要としている人も年々増加傾向にあります。医療施設の需要が高まる中、自分のクリニックを開きたいと考える方も多いのではないのでしょうか。 この記事では自分のクリニック開業を検討している人が医療系物件を選ぶ際に気を付けるべき点をいくつかご紹介していきます。

クリニックを開業するときに一番重要なのは「土地選び」です。この土地選びに失敗してしまうとどれだけ医者の腕が良くて、機材などが揃っていても周りに患者が少なく、需要がなければ経営が厳しくなってしまうからです。

ここで土地を買うべきか、借りるべきか迷うかと思いますが、結論からして「土地は買った方が良い」とは言い切れません。なぜなら、開業しようと思う場所によって条件が異なってくるのと、予算によっては厳しい場合があるからです。

クリニックを開業する際には、その土地にどの世代が多くいるのか、似たような競合の医療施設がないのかなど1日当たりの患者数の見込みを予想する「診療圏調査」が必要になります。こうした情報は自治体のホームページやその土地の不動産に問い合わせしてみたり、医療系のコンサルタント会社などに調査を依頼することも可能です。

まずはメリットとして、その土地を買うことで賃貸のように毎月家賃を払う必要がありません。また将来的には自分の資産の1つになります。さらに、自分の好きなように外観や内装をデザインできるので理想のクリニックを建てることができます。

次にデメリットですが、土地を借りるよりも初期費用がかかること、建物の維持管理費用や修繕費用が発生する。そして、一度クリニックを建てると、その後簡単に移転ができません。 その土地を購入することで自分の生活圏もクリニック周辺になる可能性が高いので、憧れのクリニックを建てられる分、土地選びは慎重に、数十年後のことも考えて決めるのが失敗しにくいポイントです。

では次に医療モールで開業した時のメリットをお伝えします。医療モールは、その地域の将来の土地開発などの計画を含めたことを考慮しているため、将来人口が増える見込みのある場所や、医療を必要としている地域に建てられることがほとんどです。

ゆえに地域からの注目度も高いので、普通に開業するよりかは早い段階で認知してもらえます。医療モールでの開業のメリットとして以下の点があげられます。

● 開業後に健康相談会や健康セミナーを通して集患がしやすい

● 初期にかかる費用を抑えられる

● 他のクリニックと協力することで、患者を紹介し合ったり、より的確な診療ができる

反対に、医療モールは共同オフィスのような存在でもあるので、他のクリニックとお互いを理解し、協力し合うことが重要になっていきます。孤立してしまったり、非協力的でいると自分が困ったときにサポートを受けるのが難しくなってしまいます。また、自分で内装が出来なかったり、そもそも立地が適していないというパターンもありますので、医療モールにおいても場所選びは慎重に行いましょう。

過去に一人暮らしをする際などに家賃交渉をした経験がある方もいるかと思いますが、クリニックの場合も交渉するポイントはさほど変わりません。

ですが、医療モールの場合は長期間運営してくれるクリニックがあればあるほど、そこの調剤薬局の経営安定にもつながるので、賃料の交渉がしやすく、周辺の相場よりもある程度低くなる傾向があります。

クリニックだからこそ交渉しやすい部分もあるので、ここではそのポイントを紹介していきます。

クリニックは世間から見ても安定した職業、信頼度の高い職業であるため、家賃を滞納する可能性はほとんどありません。保証金が低くても契約の維持はできる、と主張することで減額できる可能性が高いです。

毎月発生する家賃はなるべく抑えたいところ。ポイントとしてその地域の相場を一度調べて比べてみるのが良いでしょう。相場より高い時や、クリニックが駅から少し離れている、周辺の人通りが少ないなどを理由に数千円単位で交渉してみましょう。

クリニックを開業するとなると、少しでも清潔感のあるビルや建物を借りたいですよね。こちらはビルの管理状況に対して見合ってないと感じた場合には一度相談してみるのがおすすめです。または、清掃の回数を増やしてもらうようにお願いしてみるのも良いでしょう。 結果的に減額ができなかったとしても、開業後にオーナーさんが知人や知り合いを紹介してくれた、という例もあるのであくまでバランスを見ながら交渉していきましょう。

医療モールで開業するときのメリット・デメリットや家賃交渉のポイントについてご紹介しました。 クリニックを開業するまでに、土地探しや建物建設などを含めて1年〜2年かかることは珍しいことではなく、それだけクリニックの土地選びは将来の経営に反映してくるということです。

自分が将来どんな患者さんをケアしていきたいかを明確にすることで、医療モールで開業することのメリットが大きい場合もありますので、この記事を参考にして後悔のない開業計画を進めてください。